群馬県・上野村研修を行いました
平成25年11月14日(木)
参加者…11名(弊社社員:2名)
平成25年12月19日(木)
参加者…7名参加(弊社社員のみ)
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上信越自動車道「下仁田インター」から車で40分、関越自動車道「本庄児玉インター」から約70分の山間の村・群馬県多野郡上野村にて「広葉樹活用の研修」を2回にわたって行いました。
西は長野県に、南は埼玉県秩父市の県境に位置し、村の96%が森林という林業の村です。森林の61%が広葉樹(サクラ・クリ・ナラ・カエデ・ケヤキ・カシ・クルミ・ブナ)、38%が針葉樹(スギ・ヒノキ・カラマツ)という、戦後の植林ブームとは"縁"のない実生の天然木森林地域です。
上野村森林組合では、「提案型集約化施業」で隣接する森林所有者を集めて団地化して効率の良い作業道づくり間伐を行うことができ、コスト削減を行って森林所有者へ還元しているとのことです。
11月14日(木)
13:00の現地集合で、上野村中心部にある「道の駅」に到着しました。「チルチンびと地域主義工務店の会」のメンバー11人にて、まず村営の銘木工芸館に入りました。
昭和49年から村の政策としてスタートした、豊富な広葉樹を活用した木工産業が盛んで、最盛期には2億円の売上があったとのことです。国指定天然記念物になっている「上野村の木」シオジで作るオリジナル家具は、希少価値の高い商品です。
上野村役場のご担当者と上野村森林組合の皆さんと名刺交換のあと、山へ向かい、針葉樹・広葉樹を見せていただきました。
針葉樹林では、ちょうどスギの伐採をしているところを見学しました。良材は構造材として市場へ出しているそうですが、多くは床板材や羽目板材に加工しているとのことです。
山間のため、15:00を過ぎると暗くなるのが早く、広葉樹については貯木場で説明を聞くことになりました。
サクラ・ナラ・クリ・ブナが並ぶ貯木場です。ナラ・ブナは、村営の「きのこセンター」へ出荷され、きのこ栽培に利用されるそうです。クリは希少で、害虫やシロアリに強く、屋外材に適している唯一国産材だそうです。
広葉樹は大きく育てないで20年くらいで伐採すると、植樹しなくても、その切り株から芽が出て成長するという組合長さんの説明がありました!
最後に、力を注いでいる木工施設を見せていただきました。この他にも1台数千万円という製材機・除湿低温乾燥器・モルダー・ベルトサンダー・旋盤・NCルーターなどを見せていただき、これだけの設備を備えている森林組合は、他に見たことがないという思いです。
今回は見られませんでしたが、村自前の「ペレット工場見学」と「弊社の取り組み」を次の宿題にして、上野村研修は終了しました。
12月19日(木)
トラックを含む車3台で、野田本店を8:30に出発しました。
昨晩からあいにくの空模様で、山間の上野村では積雪・凍結が心配です!途中危ないところがいくつかありましたが、何とか11:45に到着しました。まずは、みんなで名物「イノブタ料理」で腹ごしらえです!
検討材料となっていた「弊社の取り組み」は、
●バイオマス燃料「上野村産ペレット」の仕入れ
●床板材・羽目板材の直接交渉
●オリジナル木工品造りの依頼
●屋外材(ウッドデッキ・バルコニー)に
●クリの採用が可能かの検討
で、今回のテーマです。
上野村産のペレットは、事前交渉によって仕入れが可能になり、今回は弊社のトラック(1.5t積載)に積んで帰ります。
集めたカラマツの端材を、中央の粉砕機で粉砕し、右側のストックヤードに一時保管します。
いよいよトラックに積み込み開始です!1袋10Kg で150袋になります。
袋に入る前の上野村産カラマツのペレット完成品です。直径6mmより少し太い直径径7mmのペレットです。カラマツの特徴は、灰が少なく長持ちすることです。乗用車2台の後ろにも、積めるだけ積み込み、40袋(400Kg)を追加で仕入れました。
今回、いろいろ細かな対応も快く引き受けていただきました、上野村役場経済課・佐藤係長(中央)と記念撮影をして、次の目的地である森林組合へ向かいました。
森林組合では、佐藤組合長をはじめ、仲澤課長、鳥澤主任にお出迎えいただき、ペレットストーブで暖まりながらコーヒーもいただき、寛ぎながらの質疑応答のあと、施設内を見学させていただきました。
除湿低温乾燥窯で約3週間乾燥させたスギ・ヒノキ・カラマツの床板・羽目板は、とても良い感じに仕上がっています。継続な仕入れのために、単価・生産体制などについて、さっそく交渉をスタートすることになりました!
ひとつずつ手作りの木工品(玩具)の製作中の様子を見学しました!
オリジナルの「どんぐりの形したオルゴールタイプと物入れタイプ」を、無塗装品で製作していただけることになりました。
新年に開催する「想.sou新モデルのお披露目イベント」では、上野村産木工品がたくさん並ぶように準備中ですのでご期待ください!
今後の継続的な取引について商談中です。中央に佐藤組合長、その左側が仲澤課長・鳥澤主任、そして右側が弊社の佐々木店長と吉田課長です。
日没が早く、道路の凍結が気になるなか、16:00過ぎまで滞在し、再びうかがう約束をさせていただき、上野村を後にしました。
生産者との直接取引が可能になり、弊社のお客様へ多くのメリットを還元できるようになればと期待が膨らむ、とても良い研修になりました。上野村役場の皆様、森林組合の皆様、本当にありがとうございました。