スイス・ドイツ研修を行いました[4]
平成24年1月29日(日)~ 2月4日(土)
※下のそれぞれの画像をクリックすると、拡大画像をご覧いただけます。
4日目
今回の研修旅行も半分が過ぎ、4日目に突入です。今日もマイナス12度の世界が待っています!
本日は移動がなく、シュツットガルトに連泊なので少し楽かも(?) 夜は懇親会です!
展示会場が10棟並ぶなか、奇数棟が今回の屋根壁展示会場です。入ってすぐの1号館の様子です。本日最初の研修地(シュツットガルト郊外)、2年に1度開催される国際屋根壁専門見本市へ近づいてきました。 バーデンヴェルデンベルク州都・シュツットガルトは、人口約60万人の工業都市、メルセデスベンツ、ポルシェ、ボッシュの本社があり、失業者が少なく、ドイツで最も豊かな都市と言われています。
前回まではケルンで開催され、国内外合わせて470社が出店し、4日間の合計で44,000人が来場するそうです。そのうち38,000人が外国人ですので、まさに欧州を代表する国際見本市です!
1号館が一番大きく、木材・集成材・工具など、3号館は断熱材・乾燥・安全対策など、5号館は屋根・ソーラーなど、7号館はメタル(金物)系・屋根・ソーラーなど、9号館はメタル(金物)系・屋根などに分かれています。バーデンヴェルデンベルク州のあるドイツ南部の人々は、たいへん働き者だそうです。朝6時30分に始業の会社もあります、役所も7時30分から開いているそうです!それでも日本人の勤勉さを絶賛するそうですが、果たして今の私たちはどうなんでしょう?
シュツットガルトで初開催となる今回の屋根壁展は、1月31日~2月3日までの4日間開催です。私たちは2月2日に行きましたが、昼前後は大混雑状態でした!ここでも中国の人の姿をよく
見かけました。
断熱材のブース(右)、屋根のブース(上)は混雑しています。日本ではよく見かけるセミナー形式のブースはありませんでした。昼食(ソーセージバーガーとコーラ)を勝手に取りながら、好きな所を見てまわり、あっという間に2時間半が過ぎました。
日本の展示会と違うところは、各ブース内で接待コーナーがあり、コーヒー、ビール、ワイン、おつまみまで出しています!
バスで約30分移動し、今日2つ目の目的地・ヴァイゼンホフ丘の上にあるヴァイゼンホフジードルンクへ向いました。
※ジードルンク=集落・集合住宅
コルビュジェ設計の二世帯住宅です。今は博物館になっています。コルビュジェはもう1棟建てています!(これも85年前)ヴァイゼンホフ丘から見下ろしたシュツットガルト市街です。すり鉢状の地形がよくわかります。1927年(85年前)にドイツ工作連盟主催の住宅展があり、欧州各地から集められた建築家のベーレンス、グロピウス、ル・コルビュジェ、ブルーノ・タウト、ミース・ファン・デル・ローエらが近代建築の実践として建てられたアパート・マンションタイプ、テラスハウスタイプ、戸建等賃貸から分譲までの、さまざまな住宅群です。85年前のものが色あせずに今でも普通に使用しているところが何と凄いことでしょう!
専属ガイドさん付き(中山さんの通訳)で見て回りました。
毎週土曜・日曜に、一般向けの2時間コースのツアーがあります。
オランダの建築家・JJPアウトの小さな集合住宅(5戸)の様子です。(左)
専属ガイドさんから説明を聞いています(ドイツ語です!)、後ろに全21棟の配置と設計者名が書いてある掲示板があります。(右)
ルードヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエの設計による一番大きな集合住宅です。
装飾を削ぎ落として立方体になったようです。
設計者・ミースの名前が刻まれている表札です。上には平面図も描かれています。(入居者のプライバシーは、どうなんでしょう?)産業革命後都市部で急速に人口が増え、スラム化や衛生状況悪化を防ぐ目的もあり、各地にジードルンク計画ができたとのことです。
集合住宅はドイツ国鉄や裁判所・税務署などの公務員住宅に利用されています。
日本の公団住宅もここから影響を受けているようです。
ハンス・シャロウン設計の戸建住宅です。立方体(箱型)が多いなか、趣が異なる感じです!ミース建築の次に並ぶテラスハウスです。これも85年経っています。シュツットガルトはすり鉢状の底に市街地があるため、車の排気や廃熱が抜けにくいという問題を都市計画で解決しているそうです。車の進入経路を規制したり、公園・緑地を計画的に配置して風の通り道をつくり、温度差を利用して丘の上から風を吹き降ろすそうです。盆地特有の夏高温多湿がなく、8月の平均気温は24度前後で、湿度も低いとのことです。
次にバスで約15分移動し、「将来の家」をテーマに、設計コンペで建てられた13棟が並ぶ「リビング2000」
という実験住宅街へ行きました。
賃貸集合住宅が7棟、低層の戸建タイプ分譲型のテラスハウス6棟が建っています。ここではヴァイゼンホフジードルンクと違って奇抜な近代的な建物です!1993年の国際庭園見本市のためにエコロジー実験住宅として建設されました。古い住宅団地の一画にあり、新旧の建物が共存は、人の階層の共存であり、同じ公園を利用し同じ空気を吸う(平等ではないが)「公平な社会」だそうです。
集合住宅群を抜けると、戸建タイプの分譲型テラスハウスがあります!
分譲型テラスハウス(上)の敷地は私有地でした。物珍しく覗いてしまい、申し訳ありませんでした!環境共生手段として太陽熱の利用、中高層住宅の風スクリーン、屋根や壁の緑化、コンュピューター制御で受熱角度を変えられるソーラーコレクターがあります。
次は、本日最後の訪問地・シュツットガルト住宅総合展示場です。午後6時までの約1時間の駆け足での見学です。
有料ですが、同業者にもオープンになっています。
受付を出てすぐのところにある案内掲示板です。全60棟あるのか、思わず数えてしまいました!(左)
ゲートをくぐってスタートです。1時間で60棟全部を見るのは不可能です!(右)
さすがに平日の夕方で、私たちのほかに来場者はいませんでした。
時間を有効に使おうと、みんな足早に散っていきました!
住宅のサイズがS・M・L・LL・XLと別れていたり、1次エネルギー消費が表示されているそうです。ブロックごとにもテーマがありそうな配置です。1部屋がスタッフルームになっており、CADらしき図面を眺めています。私が入っていっても応答は有りません、お客じゃないと相手にしてくれないのかもしれません(?)
内外観画像です。面白そうな所や、当社と似ている所に入ってみました。
これで本日は終了です。ホテルに戻って、夕
食を兼ねての懇親会ですが、その前に1時間
のセミナーがあるそうです。今回のツアーは
研修・勉強に徹底しています!